「こまどり姉妹」「叶姉妹」「阿佐ヶ谷姉妹」。本物の姉妹は誰でしょう?
芸能界には、兄弟・姉妹で活躍している人物が多数います。
歌手や漫才師(現在は「芸人」という言葉に統一されつつあります)などでは、コンビでの活動もアリ。
俳優の世界にも兄弟姉妹はいますが、活動はそれぞれひとりずつのケースが基本です。
ともに同じ業界にいても、仕事そのものが「ソロ」を基本としていますから、ある意味当然かもしれません。
そんな中、
コンビで活動し、しかもコンビ名に堂々と「姉妹」を名乗っている2人組がいます。
タイトルに挙げた「ミニクイズ」。
多少なりとも芸能界やテレビに興味のある方には、すぐお分かりの愚問かもしれません。
「世代」でない方、興味のない方にとっては、今日のネタ自体がそもそもが愚問かもしれません。
雑学としてしばらくお付き合いいただけたら、ありがたいです。
正解は、もちろん
「こまどり姉妹」。
それにしては、イメージや醸し出す雰囲気があまりに似ているなぁと感心してしまいます。
あの絶妙な「設定」が、なかなか興味深いです。
<こまどり姉妹>
長内栄子(姉・左)と長内敏子(妹・右)。
主として1960年代に活躍した、一卵性双生児の姉妹歌手です。
同じ時期には、洋風ポップスで一世を風靡した同じ双生児姉妹歌手「ザ・ピーナッツ」が活動しており、彼女らは「演歌版ピーナッツ」とも称されました。
当初コンビ名は普通の苗字らしく「並木姉妹」と名乗っていましたが、その後新たな芸名を公募して、今のコンビ名になりました。
確かに今の名前の方がインパクトがあります。
13歳の頃北海道から上京し、三味線を弾きながらの「演歌師」稼業。
いわゆる「流し」をしながら苦労を重ね、スカウトを受けて1959年にようやくデビュー。
その後ヒットを連発し、紅白にも7回出場するほどの人気を博しました。
御年80を超えた今もステージをこなすほか、時々出演するバラエティー番組では「肉好きの大食漢」としても活躍し続けています。
デビュー曲:「浅草姉妹」
当時20歳そこそことは思えないほどの、本格的な歌唱ぶりです。
<叶姉妹>
互いを「お姉さま」「美香さん」と呼び合う、「セレブライフ」をセールスポイントにしたゴージャスな姉妹、
という設定になっています。
もともと名前が売れるきっかけになったのは、ファッション雑誌「25ans」(ヴァンサンカン)の読者モデルとして。
それが一般読者から支持を受け、やがてテレビでも注目されて現在の地位を得るに至りました。
「芸歴」は、彼女らのイメージを壊すことになるので、明かすのはタブーなのかもしれませんが、それぞれが別の芸名でモデルをしていた頃からはすでに30年以上。
「姉妹」になってからでも、もはや四半世紀近く。
超ベテランタレントです。
現在の肩書は、
「セレブリティライフスタイルプロデューサー」
ということになっているのだそうです。
何をプロデュースしているのか、ワケがわかりません。
役者や歌手としてヒット作を持ち、高い知名度を得たわけではない。
デヴィ夫人や「どんだけ~!」のIKKOに通じるテイストもありますが、彼ら(彼女ら?)のように、バラエティー番組でのトークが格別に面白い、というわけでもない。
なのに、彼女らは「超豪華」さを維持しているのです。
姉・恭子は、「メンズ」と呼ばれる取り巻きの男性を常に侍らせています。
中でも特別に容姿端麗な男性は「グッド・ルッキング・ガイ」と呼ばれています。
彼らはみな、20代前半の世界的スーパーモデルが多いと言われ、そのメンバーはしょっちゅう選抜されて入れ替わるのだそうです。
妹・美香は、そんな自由奔放な姉に手を焼きながらも、フォローする役割に徹しています。
姉同様のダイナマイトボディーを持ち、派手なファッションに身を包んでいるのはトレードマークとして、一方で保育士や小学校教諭免許を持っていることもあってか、堅実な面もその言動から垣間見えます。
- どこまでが現実で、どこまでが演出なのか?
- なぜここまでにセレブに持ち上げられているのか?
- 彼女らの「収入源」は何なのか?
などと、下世話なイマジネーションをも吹き飛ばしてしまう、唯一無二のユニットです。
2人のキャラクター全開のコミックCMです。
<阿佐ヶ谷姉妹>
こちらは、グッと肩の力が抜けた(!)ほのぼのした「姉妹」です。
2018年の女芸人コンテスト「THE W」で優勝して、注目を浴びるに至りました。
いわゆる「第七世代」と呼ばれる若手芸人がもてはやされる中、グッと数少ない女芸人枠の中で、他には見られない「中年の星」として、カラダを張った芸で大活躍中です。
ヘアスタイルやメイク・衣装などを「寄せている」影響も大きいのでしょうが、「本当の姉妹」と呼んでもまったく差し支えないイメージの2人。
東京都区内の住宅地である、特別オシャレな街に名前は挙がらないけれど、そこそこ良いイメージのある「阿佐ヶ谷」をコンビ名に選ぶ絶妙さ。
売れるまでは、姉妹のイメージを付けようと実際に阿佐ヶ谷のアパートで共同生活をし、今も同じアパートの隣の部屋に暮らしているというのも、どこかしら健気で堅実です。
お笑いでバカをやっているだけかと思うと、妹・美穂が音楽学校出身ということもあって、ネタの合間に時々聴かせるハモリのコーラスは音程がきっちり合っていて、ちゃんと歌えるなかなかのレベルであることがわかります。
また、姉・江里子は国語の教員免許を持っていることもあってか、真面目な場面(ラジオMC)での話術には、アナウンサー顔負けの安定感があります。
「突然大ブレイク」したわけではないだけに、「落ちる」「消える」心配もない。
「若さでチヤホヤされた時期」がないだけに、トシを重ねてからのイメージチェンジに苦悩する必要もなさそう。
その分、これから息の長い活躍が期待できそうです。