【早くも予測?】「新語・流行語大賞」。ネガティブな意味で対象となる言葉が多過ぎ?36年の歴史を守るために、今年も「ベスト30」選出強行か?
昨日は「さえわたるオリジナル作品YouTube化」記事にたくさんのコメントを下さり、ありがとうございました。
チャンネル登録もしていただけて、大変光栄です。
今後、様子を見て随時更新していきたいと思います。
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2020年、早くも折り返し点を過ぎました。
「まだ半分」「もう半分」
さまざまな感じ方があるとは思いますが。
いささか気の早い話ながら、今年の
「新語・流行語大賞」
がどうなるのか、その行方を考えてみました。
「年末の恒例行事」とは言え、毎年10月頃になるとすでに「候補」となる言葉が囁かれ始めます。
11月には「ベスト30」が正式に決定。
12月初旬には早々に発表。
こうした運びなので、スケジュール的にはけっこう前倒しになるこの「儀式」。
ですから、1年の半分が過ぎた現時点において、全体の半数ぐらいは「候補」となりそうな言葉が登場して、おおよその傾向はつかめていても良さそうなところです。
しかし今年は、正直「それどころではない!」気もします。
出版社の「ユーキャン~自由国民社」が旗振り役となって、その年1年間に発生した「ことば」の中から新しく生まれたもの・流行ったものを選考し、その「ことば」に関わった人物や団体を顕彰する賞
である「新語・流行語大賞」。
スタートしたのが1984年ですから、もう36年の歴史があることになります。
ちなみに、昨年選出された2019年の「大賞候補」ベスト30は、下記のような言葉でした。
過去3年間遡り、ベスト10だけをピックアップしてみると、
2019年
ONE TEAM=大賞
計画運休
軽減税率
スマイリングシンデレラ/しぶこ
タピる
#KuToo
◯◯ペイ
免許返納
闇営業
令和
後悔などあろうはずがありません(特別賞)
2018年
そだねー=大賞
eスポーツ
(大迫)半端ないって
おっさんずラブ
ご飯論法
災害級の暑さ
スーパーボランティア
奈良判定
ボーっと生きてんじゃねーよ!
#MeToo
2017年
インスタ映え=大賞
忖度
35億
Jアラート
睡眠負債
ひふみん
フェイクニュース
プレミアムフライデー
魔の2回生
〇〇ファースト
9.98
29連勝
今振り返ってみて、いかがでしょう?
すぐに思い出せるものもあれば、はるか昔のように思えるものも多くあります。
「確かに流行った」と言えるものもあれば、「なぜこの言葉が?」と疑問に思う言葉も。
政治・経済・社会ネタが一応バランスを保ちながら含まれてはいますが、マスコミで取り上げられた
「時事ネタ」~スポーツ・芸能関係の言葉
が上位に並ぶ傾向が強い印象を受けます。
各人の生活パターンや嗜好の多様化に伴って、「国民的な流行語」が生まれにくくなってきている(流行語のスケールが小さくなっている)感もあります。
「お笑い」に関する言葉やそれを生み出したタレントは、この「新語・流行語大賞」を受賞すると翌年から人気が落ち、「一発屋」と呼ばれたり、メディアへの露出が少なくなるというジンクスがある
というのも、けっこう信憑性のある有名な話です。
- テツandトモ(2003年)
- 波田陽区(2004年)
- レイザーラモンHG(2005年)
- エド・はるみ(2008年)
- 楽しんご(2011年)
- スギちゃん(2012年)
- 日本エレキテル連合(2014年)
- とにかく明るい安村(2015年)
- ブルゾンちえみ(2017年)
など、それに該当する(?)懐かしい名前が並びます。
そうした「過去の実績」はともかくとして、毎年選定の大前提とも言える基準は、
その年を象徴する「ネガティブでない」言葉
ではないかと思うのです。
昨年は、例外的に「闇営業」がランクインしました。
2011年には、震災関連で文字通りの「3・11」や「帰宅難民」などもあるにはありました。
しかし、それらはほんの一部。
悲しみや不快感を思い出させるような言葉は、いくら大流行しても積極的には選ばないという「暗黙の了解」があったように感じます。
その観点で、今年を考えた場合。
確かに、すでにさまざまな「新語」自体は生まれています。
そのペースは、例年をはるかに上回るペースかもしれません。
ただ・・・
これだけニュース報道がひとつの事象に集中・継続した年は、少なくとも「新語・流行語大賞」の歴史上にはありませんでした。
具体的に言葉にして並べるのもはばかられるほど、根源を辿ればすべてが同じニュースから。
かつ、今はあまりに生々しすぎて、ここに逐一書くのも耳にするのもウンザリする言葉ばかりです。
「ステイホーム」
「ソーシャル・ディスタンス」
「クラスター」
「三密」
「医療崩壊」
など、どれをとってもまさに「ザ・新語」。
しかも、知らない者はいないほどの(ネガティブな)「流行語」でもあります。
これらは、お誂え向きの言葉として選考の対象になるのでしょうか?
その他のジャンルのニュースを見ても・・・
これも、リソースは一緒ですが、
「テレワーク」
「不要不急」
「外出自粛」
「アベノマスク」
ネガティブ度は若干下がるかもしれませんが、イメージはあまり変わりません。
政治ネタでも、「新語・流行語」レベルではないものの、よろしくないスキャンダルがありました。
また、いつもなら「新語の宝庫」であるはずの芸能ネタでも、決してイメージのよろしくないスキャンダル続き。
いったい誰が「どちらが好きなんですか?」「多目的トイレ」「安全な遊び方」を選ぶでしょうか?!
「候補」が決定するまでまだ4か月ほどありますが、その間に世の中が劇的にハッピーな方向に変化するとは、残念ながら想定出来ません。
そうした中、
従来と同様の流れ・考え方で選出することは不可能なのではないか?
と思われます。
個人的に、この取り組み自体に特に異議を唱えるものではありません。
「年末の風物誌のひとつ」として、あっても良いかな?ぐらいの認識です。
正直、「選考基準やその結果に、まったく違和感がない」とまでは言い切れない部分もありました。
それでも、年月が経ってから一覧で振り返ると、
「あぁ、この年はこんなことがあったんだなぁ!」
と純粋に懐かしく感じられて良いのではないか、とも思えます。
こと今年に限って言えば…
「現時点でネガティブな印象しかない言葉であっても、時が経てば懐かしく振り返れる新語・流行語」になるのか?
そんな考えに則って、例年通り30個をあえて選べるのか?
36年間の歴史を絶やさないためだけに、選ぼうとするのか否か?
大いに疑問です。