同じ領域の趣味を持つ人と自分の好きなことを語る時は、ケンカにならないように気を付ける
誰にでも「好きなモノ・コト」があると思います。
レベルは問いませんし、趣味・特技と言えるモノでなくても、対象は何でも良いのです。
好きな食べ物、好きなタレント、得意なスポーツ、行ってみたい場所。
日常会話の中で、差し障りのない範囲で
「あなたの好きなモノは?」
に話題が及ぶことがよくあります。
こちらから尋ねることもありますし、問われることもあるのですが、要注意なのは後者=訊かれた時。
たとえば自分の場合、すでにこの場で常に触れている音楽の話題になると、「台本ナシ」で何時間でもしゃべれます。
「好き」とはそういうものです。
しかしそんな時は、つい夢中になって歯止めが利かなくなってしまいがち。
自分にとっては「人生そのもの」ぐらいの深いレベルで好きであっても、相手にはさほど興味がないことかもしれません。
単に世間話的に話題を振っただけ。
むしろそのケースの方が多いです。
話のきっかけにちょっとだけと思ったのに、イイ気になってしゃべっていると、相手は面白くもない話を延々聞かされることになる。
結果、「引かれ」ます。
気づいた時には手遅れ、という結果になりかねません。
自分向きの話題になった時は、饒舌になり過ぎないよう、気を付けています。
このように興味の対象・方向性が異なる場合に、話題作りに苦労する。
それももちろん困るのですが…
もっと厄介だと思うのは、
同じ領域の趣味を持っていて、「大項目」では一致していても、「中・小項目レベル」で好みが異なる場合です。
音楽の世界でも、こうした状況が頻繁にあります。
たとえば、「歌が好き」という面では共通でも、好きな歌手やジャンルが違う。
この差は比較的理解しやすいです。
ところが、クラシック音楽の世界では、「大項目」として同じ作曲家や同じ楽曲が好きなのに、「小項目」である「指揮者による演奏ぶりの違い」に話が及んで、好き嫌いが分かれることさえあります。
とにかく、お互いに思い入れやこだわりがハンパなく強い!
そんな中、自分の好みとは違う意見を
「あぁ、そういう面もあるね」
とやり過ごしていられるうちはまだ良いのです。
ところが、語り合っているうちに、時に相手が気に入っている部分の「批判」に話が発展してしまうことも少なくありません。
だんだんヒートアップしてしまって、知らず知らずのうちに自分の方が相手の好みを批判する。
ヘタをするとケンカに近い状態になってしまう。
「それぞれが反対意見を出し合う…」
これが学校のディスカッションの授業であればOKなのでしょうが、親しい人との会話でそういう雰囲気にはなりたくないものです。
何の生産性もないコミュニケーションです。
一般論として、「政治や宗教、行き過ぎたプライベートの話題はタブー」とよく言われます。
しかし、注意すべきはそれだけではない、と思った話でした。