さえわたる 音楽・エンタメ日記

はやり歌の世界、ヴァイオリン演奏、言葉の使い方、テレビ番組の感想、旅行記などについて綴っています

【懐かしい歌No.68】「栄光の架橋」ゆず(2004)

2004年、アテネオリンピックのテーマソングとして発売されました。

 

「体操ニッポン」の実況中継で、男子鉄棒演技の着地の際、アナウンサーがこの歌のタイトルになぞらえて

「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架橋だ!」

と絶叫した場面が、今でも強く印象に残っています。

 

オリンピックとあれば、「前向きに頑張ろう!ファイト!」ばかりが前面に出てくるイメージが一般的に思えます。

ゆずの歌うこの歌にも、もちろん「前を向いて歩もう」のメッセージは込められてはいます。

しかし、それ以上に

「今ここにいる、ここに来るまでに、人知れずつらい日々があった」

「何度も夢をあきらめかけたが、これまで頑張って来たのだから、くじけずに未来を信じて生きていこう」

と、夢をつかむまでの「プロセス」の苦しみにも焦点を当てた歌詞の世界が描かれているのが特徴的です。

 

ヒットした曲なので、ご存知の方も多いと思いますが、改めて実際に1番だけ歌詞を見てみると、

 

誰にも見せない泪があった
人知れず流した泪があった
決して平らな道ではなかった
けれど確かに歩んできた道だ


あの時思い描いた夢の途中に
今も何度も何度も諦めかけた
夢の途中

 

いくつもの日々を越えて

たどり着いた今がある

だからもう迷わずに進めばいい

栄光の架橋へと

 

すでに冒頭の1行から、グッときます!

 

オリンピックに出場した選手は、その栄光をつかみとるために、己の人生をかけたまさに血のにじむような努力を重ねてきたことでしょう。

しかしこの歌詞は、ほかのアスリートにも、またスポーツに限らず我々の日常生活にも通じるものが多くあるように思えるのです。

 

曰く、受験勉強でめげそうになった時。

曰く、仕事がうまく進まない時。

曰く、人間関係や恋愛に悩んだ時。

 

ここまで苦労して来たのだから、努力はきっと報われる…

きっと頑張れる。

そっと背中を押してくれる歌です。

 

曲調は、「力強い王道のバラード」です。

 

冒頭は北川悠仁のソロ。

展開部Bメロに入ると、メインが岩沢厚治に移り、北川は3度下のハモリでそれを支えます。

そしてサビでは、再び北川メインで一緒に。

二人の一糸乱れぬハーモニーも美しく、聴きごたえがあります。

 

イントロとエンディングで、ピアノとストリングスのシンプルなアンサンブルのアレンジが施されているのも、印象的で好感度アップです。

 

ゆずと言えば、1990年代後半のストリートミュージシャン出身のフォークデュオの先駆者的存在。

1998年のメジャーデビュー曲「夏色」にあるように、ギター片手にフォークソングタッチの歌を歌っている姿が印象的です。

以降、発売するシングルすべて連続ヒットを飛ばし、「嗚呼、青春の日々」や「飛べない鳥」「アゲイン2」「歩行者優先」では最高位1位を獲得するなど、セールス面でも堂々たる実績を残しています。

 

そんな中、この栄光の架橋は、個人的には彼らにとって「別格の代表作」と呼んで差し支えない、圧倒的なパワーを持つ歌だと感じています。

 

「オリンピックのテーマソングはずっとこれでイイ!」とさえ思える歌です。

 

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