さえわたる 音楽・エンタメ日記

オリジナル作品紹介、歌の解説、ヴァイオリン演奏、言葉の使い方、エンタメニュース、旅行記などについて綴っています

【懐かしい歌No.62】「ラストシーンに愛をこめて」倉橋ルイ子(1982)

本ブログで設定しているいくつかのジャンルの中で、「はやり歌とともに」のカテゴリーが、本日節目の100記事めを迎えました。

 

歌の世界全体の記事を随時織り交ぜながら、個別曲解説の連載としては今日が62回目。

自分で勝手に決めたルール、

「同じ歌い手は取り上げない」

でどこまで走れるか、チャレンジを続けます。

 

今日は「知る人ぞ知る」マニアック選曲。

倉橋ルイ子です。

 

彼女がデビューした1981年。 

世はまさに女性アイドル全盛期。

そんな中、当時としては貴重だった「バラードを歌える歌手」として活動を開始しました。

デビュー曲の「ガラスのYESTERDAY」は、オリコンチャート入りを果たしています。

 

この「ラストシーンに愛をこめて」は、それに続く2枚目のシングルです。

 

バラード歌手として、しっとりしみじみと別れのシーンを歌い上げています。

ピアノのイントロに続くストリングスをメインとしたアレンジが、美しく曲を飾っています。

翌年に発売された、ストレートなネーミングの「哀しみのバラード」も名曲です。

 

歌を聴いていて「新しい」「古い」を感じる一番の要素は、「サウンドアレンジ」(カラオケ)の響きではないか、と思うことがあります。

 

歌うのは、今も昔も人間。

生身のニンゲンの声は、その人の「個性」そのもの。

時代が移ろったからと言って、そうそう時代を感じさせるほど変わるものではありません。

 

それに対して、ヴォーカルのバックに流れるサウンドのクオリティーは、まさに日進月歩の世界です。

使われる楽器も、多種多様になってきています。

俗に「シンセサイザー」と呼ばれるインストは、どんな音質のものも再現できる幅広さを持っています。

同時に、曲のリズムを支えるドラムも発展が著しいです。

ドラムの音色が「時代」を想起させる、と言っても過言ではないほどです。

録音技術もはるかに進歩して、音質はどんどん向上しています。

 

そうした中、ピアノとストリングスをメインにしたオーソドックスなアレンジは、目新しさこそないものの、いつの時代になっても色あせぬ「スタンダード」の安心感を、聴く者に与えてくれるような気がします。

この楽曲にも、それがあてはまるように感じます。

 

話を戻して、倉橋ルイ子本人。 

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シングルがコンスタントに発売されていたのは、デビュー後10年ほどの期間。

しばらくの間芸能活動を休止していましたが、1999年にライブ活動を再開。

2005年には、この「ラストシーンに愛をこめて」ピアノバージョンのシングルを再リリースしています。

最初のリリース時には残念ながらあまり話題になりませんでしたが、きっと本人としてはこの曲に少なからぬ思い入れがあったのでしょう…

 

「つぶやき」フレーズが続く冒頭Aメロ。

徐々に盛り上がるBメロ。

別れの悲しみがピークに達する「ありがとうラストシーン~」の歌詞が印象的なサビ。

メロディーの進行が流れるようにスムーズです。

Bメロをフィーチャーしたイントロのハミングメロも、楽曲に彩りを添えています。

 

歌い手の知名度的に見ても、

ヒットの度合いから見ても、

時代的に見ても、

「え?こんな歌手いたの?」

「え?こんな曲あったの?」

的受けとめがほとんどだと思います。

 

おそらくどのブログ記事にも取り上げられることはないのでは?と思い、時代を遡って連載に加えてみました。

 

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