【懐かしい歌No.51】「君だけに」少年隊(1987)
1982年、「ジャニーズJr.」として活動していたメンバーの中から3人が選抜されて結成した少年隊。
当初は「ジャニーズ少年隊」と名乗っていましたが、レコードデビューが決まって「少年隊」のユニット名になりました。
そして、1985年12月12日。
「仮面舞踏会」で、まさに満を持しての華々しいデビュー。
彼らは、3人のグループになる前にもジャニーズ事務所のメンバーであったわけで、いつデビュー出来るかわからない「下積み」の期間がけっこうあったわけです。
しかしそんな苦労が報われて、デビュー曲は大ヒット。
「ブッチギリ」で、翌1986年の各新人賞を総なめにしました。
現在、3人揃っての姿を見ることは残念ながらなくなっています。
東山紀之だけが、その後圧倒的な「生き残り」となるとは、当時想定できませんでした。
しかしグループは今でも「解散」していないことになっています。
その意味で、ジャニーズ最長の活動歴を持つグループとされています。
彼らがアイドルとして人気を得た要因。
もちろん、ルックスやダンスのカッコ良さが、主に若い女性に支持されたことによるところが大きかったのでしょう。
その一方で、注目したいのはその歌唱力とハーモニー。
先輩・後輩、実に数多く活動するジャニーズアーティストの中で、古今比較してもトップクラスなのでは、と評価しています。
あのジャニーさんをして「ジャニーズ内で最高のユニット」と言わしめたのも、理解できるような気がします。
彼らに提供された楽曲も名曲揃いでした。
ダンサブルな16ビート、アップテンポの「仮面舞踏会」からして、実に緻密に構成された曲。
3人の掛け合い・カラミや、超ハイテクニックな「三重ハモリ」があったりして、ひとりでカラオケでは歌えない相当の難曲です。
そして、デビューから1年半後に発表された6枚目のシングル「君だけに」。
この時代に活躍したアイドルポップスでは、男女を通じてなかなかお目にかかることがない「本格バラード」の名曲でした。
楽曲構成は、AメロとBメロしかないシンプルなスタイル。
この場合、「曲全体の盛り上げ」の観点から、Aメロ⇒Bメロに移行してラストに向かうパターンが一般的なのですが、この曲では
「Aメロから始まって、Bメロを経由して、(若干アレンジを加えた)Aメロで終わる」
構成になっているのです。
それはとりもなおさず、出だしの
「君だけに ただ君だけに あぁ巡り会うために~」
の歌詞フレーズを、聴く者の耳に強く印象づけるため。
その狙いが、見事に功を奏しています。
メロディーと詞が、がっちりスクラムを組んでいる印象です。
ステージでは、ごらんのような(これまた、誰でもマネできる単純な振り付けではない)本格的かつバレェのような華麗なダンスと共に、歌唱ではハーモニーもきちんと楽しむことが出来ます。
テレビでは非常に珍しいフルコーラスバージョンです。
バックのサウンドは、生演奏ではなくシングル盤と同じものが使われています。