さえわたる 音楽・エンタメ日記

オリジナル作品紹介、歌の解説、ヴァイオリン演奏、言葉の使い方、エンタメニュース、旅行記などについて綴っています

【かなり懐かしい番組紹介】視聴者参加型クイズ番組の草分け「アップダウンクイズ」

  • MBS(大阪・毎日放送)・東京ではTBS系で、
  • 日曜日午後7時からの30分のゴールデンタイムに、
  • 1963年から1985年の長きにわたり放映されていた、
  • 「視聴者参加型」のクイズ番組

 

それが、アップダウンクイズです。

 

参加者6名がそれぞれ「ゴンドラ」と呼ばれる小さな箱の中に座る。

問題に正解するたびにゴンドラが1段ずつ(問題の内容によっては2段、3段)アップし、10問正解するとハワイ旅行と賞金10万円がプレゼントされる、というものでした。

 

ゴンドラの高さの凸凹が、笑点大喜利の座布団の多い少ないにも似て、ビジュアル的なインパクトにもなっていました。

 

海外旅行がまだ一般的でなかった時代。

ハワイ旅行は「夢物語」の代名詞でした。

 

また、番組開始当初の60年代前半といえば、大卒会社員の初任給が1万円台だった時代でもあります。

副賞「賞金10万円」はかなりの大金です。

f:id:saewataru:20200217163523j:plain

 番組のオープニングキャッチコピーは…

 

司会を務めたMBS小池清アナが、

「ハワイへのご招待。10問正解して、さあ、ハワイへ行きましょう! ロート製薬がお送りするアップダウンクイズ、私は司会の小池清でございます」

それに続き、小池アナが 「問題を読むのは佐々木さんです」 と紹介。
そしてアシスタントの佐々木美絵が 「皆さん、こんばんは(お元気でいらっしゃいますか)。佐々木美絵です、どうぞよろしくお願いします」。

ここまでが、台本通り一字一句違わぬ、毎回お決まりのセリフでした。

 

問題は時事ネタが中心。

スペシャルクイズとして、

「シルエットクイズ」(有名人ゲストのシルエットとヒントで名前を当てる)

「目で見るクイズ」

「音楽クイズ」

などがありましたが、いずれも現在のバラエティーにあるような「ボケ」の要素は一切なしの「正統派」番組でした。

かつ、かなりの難問が多く、夢のハワイ旅行のかかったまさに「真剣勝負」でした。

 

また、不正解が2度になるとゴンドラを出て「失格者席」に座らされ、他の回答者が誰も答えられなかった場合のみ回答権が回ってきて、それに正解して初めてゴンドラに戻れる、という厳しいルールもありました。

 

この番組で、一番ドラマチックだった場面。

 

それは、その時のゴンドラの位置がどこであろうと、たとえ9問まで正解し「あと1問でゴール」となった時でも、間違えるとゴンドラが一気にゼロまで落ちてしまう、というもの。

 

時間の限られている「早押し」方式ですから、回答者はみんな焦る。

焦るがゆえに、この「9問⇒ゼロ」のシーンがけっこう頻発するのです。

本人はもちろん、スタジオの観客席からも、思わず「あ~~!」とため息が出てしまう瞬間でした。

 

当時は「クイズ・グランプリ」タイムショックなど、一般視聴者参加型の「おふざけでない本当の」クイズ番組が華やかな時代でした。

現在そうしたスタイルを守りながら、レギュラーで生き残っているのは「アタック25」ぐらいでしょうか。

 

テレビを見ながら、一緒になって一般知識を考える「頭の体操」的な番組が少なくなって、ちょっと寂しい気もします。

 

この画像は、スペシャルで芸能人が回答者になっている回です。

ちなみに、シルエットクイズで出場している「佐藤寛子」とは、佐藤栄作元首相夫人です。

 

10問正解した立川談志の「心からうれしいのか、ガラにもなく緊張しているのか、恐縮しているのか」わからない表情が、なんとも印象的です。 

www.youtube.com