香港・深圳10泊11日。土日を現地で過ごした海外出張苦闘記
これまでの海外出張歴については、先月下旬の記事で触れました。
前回は、人生で「最も遠くへ行った」出張記でした。
今日は、史上「最も長い期間現地滞在した」出張の話です。
行先は、香港・深圳。
月曜日に出かけて、翌週木曜日に帰国。
プライベートでも経験したことのない「10泊11日」の超・長旅です。
最初3泊は香港です。
フライトは5時間程度。
仕事なのでプライベートは皆無でしたが、毎晩のディナーがささやかな「オフタイム」でした。
NYでマンハッタンの地を踏めたのは人生最高の思い出ですが、香港の「100万ドルの夜景」も捨て難い魅力です。
オフィスは街の中心部にあって、周囲は高層ビルだらけでした。
たまたまホテルが「夜景スポット」の近くだったので、現地のガイドが景色の良いところを案内してくれました。
国内でも、札幌・函館・神戸・長崎…と、夜景の美しい街はいくつもあります。
ただ、さすが「香港はひと味違う!」。
そう感じたのは、とにかくライティングがカラフルなこと。
ビル自体が青・緑・赤とさまざまな色にライトアップされている。
そして、前面の水辺にライトの影が映り、絶景が2倍になります。
地上から見てこれですから、どこかのビルのテッペンから眺めたら、思わず息をのむ美しさでしょう。
3泊4日ぐらいで終わっていたら、昼間は仕事に追われていても、出張をプチ海外観光旅行的に「満喫」出来ていたかもしれません。
実際、香港での仕事はまあまあ順調に運び、それほど大きな負担にもなりませんでした。
ところが、木曜日。
深圳に移動してからが「公私ともに苦難の連続」でした。
香港~深圳間は、鉄道で結ばれています。
JRの在来線特急列車のような車両に乗ること1時間弱で、深圳サイドに到着。
驚いたのが、駅に着いた途端の「イミグレーション」の存在です。
中国は「1国2制度」。
名目上「ひとつの国」でも、香港と本国はやはり別なのです。
同じ国内のはずなのに、とにかく「荷物チェック」が異様に厳しい!
空港では問題なくクリアしたのに、ここで引っかかりました。
どうやら原因は、ペンケースに入れていたボールペンの金属か爪切りだったようです。
その後、地下鉄に乗り換え。
かなりたくさんの路線があります。
でも、東京の複雑なメトロネットワークに慣れているせいか、それ自体にはさほど驚きません。
厄介だったのが、改札前にも必ず「荷物検査」があること。
空港での検査と同様に、すべての荷物をベルトコンベヤーに載せなければならない。
これをすべての駅でやっていると思うと、ビックリ!です。
日本の地下鉄だったら、大混乱になるでしょう。
オフィスから徒歩ですぐのホテルを手配してもらっていました。
ですから、平日の朝はいつもの通勤よりかなり時間的に余裕があって、そこだけは助かりました。
ホテルは、けっこうな高層ビルの立派な構えです。
セキュリティー面の配慮もあってか、海外では一等地のラグジュアリーなホテルの宿泊が認められています。
国内出張時のビジネスホテルでは、ベッド以外のスペースがほとんどない客室ばかりですが、こちらは申し分のない広さ。
それでいて宿泊料金は、国内と大きくは違いません。
客室内は、こんな感じ。
広々ダブルサイズのベッドで、隣にチェアまで置いてあります。
ガラスのテーブルをはさんだ客室の反対側には、室内で事務仕事が出来るようなデスクも用意されています。
デスクは使うことなく、でもその横に置いてあるテレビにはずいぶんお世話になりました。
快適な部屋とは言え、同じ客室に「7泊」ですから。
これは相当長くて厳しい!
深圳では、オフィスからさらにクルマで片道3時間以上かかる場所まで出かける仕事があったり(もちろん日帰り)、香港にはなかった少々面倒くさい交渉事があったりで、「公私の公」の部分がまずハードでした。
しかし、それと同様に大変だったのが、プライベート。
英語も通じない見知らぬ海外での「休日の過ごし方」
でした。
深圳に到着して金曜の夜まで、そして翌週の平日は、食事も含めてガイドがサポートしてくれます。
しかし、土日まではムリ。
出張ですから、事前に観光の予定など練る余裕などまったくない状態。
そもそも、仕事の疲れもあって、そんな気分にもなれません。
それでも、何とか過ごさなければならない。
まず困るのが「食事」です。
朝食はホテルのバイキングがあるので、OK。
中国ですからお米もあるし、中華のいろいろなおかずも口に合うものばかりでした。
売店で軽食も販売されているので、昼食もそれで済ませることは可能です。
ただし、「土日とも」となるとちょっと味気ない。
勇気を出して、近辺を散歩してみました。
ところが、もともとがビジネス街で、周囲は高層ビルばかり。
東京でもお目にかからないような超高層ビルもありましたが、「商業施設」の雰囲気はない。
もう少し進むと、ガイドが「プチ原宿みたいなところ」と教えてくれたエリアがありました。
ファッション関係の商業施設がたくさん集まっていて、フードコード的なところもあったので、そこで食事をすることにしました。
幸い、番号の付いたメニューが壁に貼られていたので、指さしでなんとかオーダーは出来たのですが…
本当に、英語が通じません!
夕食は、近辺で唯一日本語が通じると教えられたレストランへ。
日本料理を出す、ちょっと高級な「定食屋」でした。
日本なら1500円ぐらいだろうと思われる料理が、2倍近い価格でした。
通り沿いには、日本とまったく同じロゴの「セブンイレブン」が。
プチ夜食やお菓子がちょっと欲しくなって、入ってみました。
日本のように弁当が売られていれば…とも思ったのですが、「ナマモノ」はまったく置かれていない!
レンジを使うレトルト食品はありましたが、あいにくホテルの客室にはレンジの設備はない。
電気ポットはあったのを確認していたので、得体の知れないカップ麺を購入。
ラベルが読み取れないので、味がわからず。
ラーメンだと思ったら、担々麺風でした。
日曜日の夕方からは、ずっと部屋でテレビをつけていました。
どれを見てもすべて言葉がわからないので、BSのスポーツ専用チャンネルに合わせ、特に見たいでもないバスケやテニスの試合を観戦していました。
飛行機も、「行きはよいよい 帰りは…」状態。
往復とも全日空を手配したはずでした。
行きはその通り見慣れたブルーの機体でしたが、帰りはなんと「コードシェア便」。
深圳から羽田への直行便は、地元「深圳航空」しか就航していなかったのです。
日本語の話せるCAは皆無。
機内アナウンスも中国語と英語のみ。
疲れが倍増しました。
そんな悪戦苦闘の連続でしたが、今となってはどれも懐かしい、良い思い出です。