広大な緑地が案外いくつもある都心。意外に知られていない穴場「国立科学博物館附属自然植物園」
東京都内、特に山手線の内側の「都心部」と言えば、どこも高層ビルの建ち並ぶ人口密集地、というイメージが強いでしょう。
しかし、NYのマンハッタンに巨大な緑地公園、セントラルパークがあるように、都心にも広大な緑地が数多くあるのです。
最も有名なのは、都心の中の都心に位置する皇居。
ほど近い赤坂御用地・迎賓館とひと続きの神宮外苑エリアも、かなりの面積を占めています。
そしてそのまま西に進むと、新宿御苑・明治神宮・代々木公園と、一面の緑地エリアが続きます。
北東部には、これまた全国的に有名な上野公園もあります。
皇居や迎賓館は、当然のことながら通常は立入禁止。
神宮外苑一帯は、散歩道としてはなかなか雰囲気があってお気に入りスポットですが、その他の公園は、特に休日などはかなりの人たちで賑わっていて、あまり心を落ち着けて緑を満喫する雰囲気にはなれません。
そんな中、ここに挙げた中ではおそらく一番知られていない穴場なのが、山手線内側の南西部、目黒駅と白金台駅の中間に位置している「国立科学博物館附属自然植物園」です。
「自然植物園」の名の通り、手つかずの自然をイメージさせる鬱蒼とした森の小道が続く植物園になっています。
中に入ってみると、ほんの数百メートルしか離れていないところに大都会のビル群があるとはとても思えないほどの風景が、目の前に広がっています。
高い木立からは、こんな都心のどこに暮らしていたのかと思うくらい、鳥のさえずりが聞こえてきたりもします。
そして、なんと言ってもこの植物園の特徴のひとつは「通路が少なく狭い」こと。
その分、自然のエリアが多く確保されているのです。
ガイドマップにあるように、通路スペースが非常に少ないことがわかります。
だからと言って、その通路が見物客で混雑するかと言うと、いつ行ってもそれほど人は訪れていない…
良い意味で知名度が高くないせいなのか、とにかく訪問客が少ない。
それが、この植物園の大きな魅力にもなっています。
常緑樹も落葉樹も適度に混ざっているために、四季折々違った風景を楽しむことが出来ます。
正門から入って一番奥の部分にある「湿地帯」は、板敷きの、人ひとりがやっとすれ違えるくらいの幅の通路になっていて、まるで「遥かな尾瀬~」を訪れたような気分になります。
敷地のすぐ隣には首都高速道路が走っているというのに、そんな「俗世間」をまったく感じさせません。
ちなみに、入場料大人320円なり。
しかし、わざわざ遠方に出かけなくても思う存分自然に浸ることの出来る、貴重なエリアです。