【懐かしい歌No.23】「雪の華」中島美嘉(2003)
2001年、18歳の時に「Stars」でデビュー。
彼女の代表作と言えるこの「雪の華」は、2年後の2003年に発売されました。
オリコン最高位は3位。
チャート上だけで言えば、さらに2年後の2005年、映画「NANA」の主題歌として「NANA Featuring Mika Nakashima」名義で発売された「GLAMOROUS SKY」が1位を獲得しているのですが、中島美嘉と言えばやはりコレです。
『雪の華15周年記念ベスト盤 「BIBLE」』という名のベストアルバムが発売されているくらいですから、やはり代表作なのです。
バラードナンバーの王道を行く、細部まで計算され尽くした、理屈抜きに美しいメロディーラインです。
まず、音域が広く、かつ歌詞の言葉数が多いのが一番の特徴!
楽譜にするとわかりますが、細かい16分音符やシンコペーションが非常に多いため、ブレスのタイミングも確保しづらいほど。
それだけ、歌うのが難しくなります。
また、メロディーの流れが非常にユニーク。
サビの「ゆきの は『なが』~」で高音部に飛ぶところが、間違いなく最大の「聴かせどころ」です。
そのサビに向かい盛り上がっていく過程で、音符はシャープ・フラットの半音上げ下げを繰り返していく。
そして、一瞬長調から短調に移ってしまいそうな流れがあります。
実際、サビの1~2小節目は確実に短調の進行で入っています。
しかし、ワンコーラスの最後はきちんと長調の「ド」で終わっている。
この微妙なメロディーラインをしっかりと支えているのが、巧みなコード進行。
随所にベースコードや7thコードを織り込み、実に手の込んだ作りが施されています。
また、サビメロをさりげなくイントロに含めているのも、アレンジ面の心憎い演出です。
詞の面で意外なのが、「君と僕」つまり「男言葉」で語られている点。
その線上で「風が冷たくなって 冬のにおいがした そろそろこの街に 君と近づける季節が来る…」などと言われると、凍り付きそうなMV画像とは裏腹に、冬なのに温かい気持ちになります。
毎年この時期になると(否、真夏でもエアコンをかけながら)ついつい入れ込んで熱唱してしまう1曲です。